おいす!音楽人講師の凜です。主に、音楽を仕事にする方法を発信しています。
個人で楽曲制作をしていると、マスタリングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
また、マスタリングエンジニアの仕事内容なども気になりますよね。
今回は、曲の仕上げの工程、マスタリングについてマルっと解説していきます。
もくじ
マスタリングとは?
もともとの意味は、CDプレスの工程の際、原版を製作する事を指していました。
しかし、現代の認識では違います。
本来でいう、「プリマスタリング」の意味でマスタリングと認識しています。
プリマスタリングとは、「ミックスダウン後の曲の仕上げ」の事です。
例えば、「音圧調整」「音質向上」「曲間の調整」などを行う事ですね。
今でいうマスタリングソフトなどは、ほとんどが音圧をあげるものだったり、音質を微調整するものがほとんどです。
つまり、曲の仕上げの工程という事ですね。
刃物でいう、刃を研ぐ事みたいな感じです。もともとの素材を、さらに良いものへ引き出すための重要な工程になります。
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マスタリングを行う理由
なぜマスタリングを行うのかというと、以下のような理由があるからです。
- 曲中のばらつきを抑えて整えるため
- ミックスダウン時の問題点の改善
- レコーディング時の音源と遜色ない音質で商用フォーマットさせるため
それでは、一つづつ行ってみましょう。
曲中のばらつきを抑えて整えるため
基本的には、CDや曲を販売する際、2曲以上入っています。
アルバムなどでは、10曲以上も入りますよね。
その中で、1曲1曲担当のエンジニアさんも変わる事が多いです。
そうなってくると、ミックスダウン時の音量レベルや音質などが、それぞれバラバラになる事が多い。
そのままCDを焼いたとしても、通しで聞いた場合にリスナーは不快感を得ます。
- 急に音がでかくなった
- この曲だけ音が小さくて聴きづらい
このばらつきを抑え、商品提供時にすべての曲のばらつきを抑えるためにマスタリングを行います。
これを、音圧の統一といいます。
また、音質なども微調整する事で、CDを通して聴いた時の世界観なども表現することが出来ます。
簡単に言うと、CD全体を通して聴きやすくするためですね。
今では、ストリーミングやダウンロードが主流ではありますので、一曲の聴きやすさを求める場合も多いです。
ミックスダウン時の問題点の改善
マスタリングの前の工程では、ミックスダウンと呼ばれるものを行います。
これは、曲中各パートの音源を一つの音源データとしてまとめていく作業です。
バランスを整え、音の加工をしたりします。
そうして、2MIX音源と呼ばれるステレオの音源を一つ書き出すのです。
そして、マスタリングではこの音源を使用して行います。
その際、ミックスダウン後に出てくる問題点などがたまにあります。
- もう少しボーカルを前に出したい
- 全体的にドライな音にしたい
- ベースを強調したい
本来であれば、このような問題はミックス時に改善するのが絶対です。
しかし、納期や期限などもありますので、間に合わない場合はマスタリングで何とかします。
優秀なマスタリングエンジニアさんなら、少しの要望なら簡単に手直しすることが出来ます。
こうする事で、自分が満足する曲を仕上げられるようになるのです。
レコーディング時の音源と遜色ない音質で商用フォーマットさせるため
レコーディング時の音源データと、マスタリング完了後の音源データのファーマットは違います。
例えば、WAVデータとM4Aデータみたいな違いですよね。
いわば、リスナー用のデバイスには沢山曲を入れるので、出来るだけ圧縮して少ないデータ量で曲を仕上げたいのです。
再生の問題もありますけどね。
その際、圧縮すればするほど音質は悪くなります。
例えば、紙やすりもツルツルになったら研げません。
音楽では、この凸凹が味を出したり、色を出します。
よって、圧縮するほどこれらがなくなっていくのです。コンプをかけすぎると音が平らになるのと同じですよね。
しかし、曲を聴くのは曲を買う人です。よって、商品提供時でもレコーディング時の音源並みに音質はよくしたいと考えるのは普通です。
まあ、そこまで音がわかる人も少数派ですけどね(笑)
プロからしたらダメな音源でも、YouTubeなどでは人気なのは結構ある事です。
ですので、売れる要因は音の良し悪しではない時が多いです。
しかし、やっぱりプロ意識は持ちたいのがプロです。
そのため、マスタリング時に音質を悪くしないように細心の注意を払って仕事をします。
良い曲が市場に出回るのは、エンジニアさんの努力あってこそです。
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マスタリングの大まかな工程
ここでは、僕自身もマスタリングの仕事をしていたこともあり、大まかな手順をご紹介します。
エンジニアによっては、独自の手順がる人も多いので、あくまで基本形と考えてください。
それでは、マスタリングは以下の工程で行います。(今回は個人向けです)
- 使用DAWに2mix音源を読み込ませる
- 各音の調節 (基本は音色や質感)
- 音圧調節
- 最終仕上げ
- 書き出したいフォーマットでの書き出し
それでは、それぞれ解説していきます。
使用DAWに2mix音源を読み込ませる
DAWは何でもいいのですが、使用するDAWに2mix音源を読み込ませます。
ここでは、何も手を加えず、2mix音源そのままのフォーマットで作業していきます。
音楽の世界では、基本的にいじらない方が上手くいくことが多いです。いわゆる、引き算の考え方ですね。
最初は素の状態が一番いい状態です。
各音の調節 (基本は音色や質感)
次の工程は、各音の調節をしていきます。
基本的には、作品のコンセプトにあった調節をしていくのが吉です。
- EQ
- コンプ
- リバーブ
- ノイズカット
- クリップ修正
上記の工程が基本ですかね。また、アウトボードを持っている人は、プラグインでは出来ない事を付けたしたりします。
ここら辺は、個人レベルではあまり必要ない工程でしょう。
最初はプラグインだけで事足ります。マスタリングで稼げるようになったら、アウトボードなどに投資するといいですよ。
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音圧調節
音の調節が終わったら、音圧を決めていきます。
主に、マキシマイザーなどを使うことおおいです。
これは、基本的に決まったものがないです。人によっては、クリップぎりぎりの人。素の状態を重視する人がいます。
最初は好みやクライアントの要望通りでいいです。
慣れてくれば、音圧をあげつつ素を崩さないような高レベルな事も出来るようになります。
スキルアップにいそしみましょう。
最終仕上げ
そして、最終仕上げを行います。
ここでは、以下のようなことをする事が多いです。
- 音圧UP後の音質・音色の微調整
- フェードイン・フェードアウト
ここまで出来れば、曲の完成といえます。
書き出したいフォーマットでの書き出し
最後は、自分の望む形のフォーマットで曲を書き出していきます。
これは、要望などで変わってくるため、その都度変わります。
動画投稿主に仕事をもらう事が多かった僕は、WAVデータで(96Hz/24bit)が多かったですね。
まとめ:仕事にするならテクニックだけではだめ
僕は、音楽人講師として活動しています。
その際、「ミックス・マスタリングを仕事にしたい」という質問が多かったです。
その人たちは、上手くなればいいですか?とよく言います。
しかし、上手くなる事と仕事にする事は別問題です。
その理由は明確。
「仕事を振る人は、その人の事を知っていなければ振れない」からですよね。
ですので、仕事をくれる人にいかに自分を知ってもらうかが重要となります。
そのためには、マスタリングテクニックだけではいけません。
しっかりと、発信をして認知度を高めていかなくていけません。
もし、マスタリングを仕事にしたいのであれば、お客さんを集められるようになる事にも力を入れてくださいね♪
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以上。音楽人講師の凜でした!