おいす!音楽人講師の凜です。主に、音楽を仕事にする方法を発信しています。
あなたは「高い声で歌えるようになりたい!」「きれいな高音にあこがれる」と思ったことはありませんか?
ネットなどで高音の練習方法を検索すると、ミックスボイスというワードを目にすると思います。
でも実際、よくわからないという人は多いです。
なので、この技法はどういった物なのか?また、ミックスボイスを出すためには何が必要なのか?という事をお伝えしようと思います。
ですが、ミックスボイスに入る前に、高い歌声を出すためのの前提条件から解説します。
なぜなら、この条件がそろわないと、いくら練習しても意味がないからです。
例えば、バッティングセンターに行ったとしても、バットが無ければ打てませんよね?
このように、高い歌声にも、持っていなけければ始まらないものがあるのです。
今回は、高音練習でたどり着く技術「ミックスボイス」について話していきます。
もくじ
ミックスボイスの出し方と練習方法!
それではまず、ミックスボイスを練習する前に必要な条件をご紹介します。
基礎ができてないと応用問題が解けないように、ミックスボイスをもある程度必要な条件があります。
ミックスボイスをやみくもに練習する前に、確認していきましょう。
高い声は、のどにとても負荷がかかります。喉を傷めないためにも、しっかり読んでくださいね♪
ミックスボイスを練習する前に必要な条件
まずわかりやすいよう、ミックスボイスを練習する前に必要な条件を、ピックアップしていきます。
ここで当てはまらないものがあるならば、まずそこからできるようにしていきましょう。
それからミックスボイスに入ると、格段と上達が早くなります。
失敗を繰り返して時間を使うより、地道に条件をクリアしていく方が、最終的には早くミックスボイスを習得できます。
では、ピックアップは以下の6つです。
- 声と歌声の違いを理解している。
- 高い声が出せている (歌声でなくていい)
- 原曲キー=正義だと思ってはいないか
- 客観的に見て、自分の歌のレベルを理解しているか
- 一曲通しで歌って、声がかれてしまうか、疲れてはいないか
- 歌うことを楽しめているか
全部できる人は、目次からこの項目を飛ばしても構いません。ですが出来る人でも、再確認として読む価値はあるでしょう。
「 最後のは必要なの? 」と思う方もいるでしょうが、
気持ちというのは、体にも表れるのです。表情などでも、声の出方は変わってきます。
笑った時は、顔の形が変わりますよね。声は、口の中の形が少し変わっただけでも、鳴り方や響き方も変わってくるのです。
ですので、初心に戻って取り組みましょう。
それでは、前提条件の一つ目から解説していきます。
ミックスボイスを練習する前に必要な条件1:声と歌声の違いを理解しているか
まずは、声と歌声の違いを説明いたします。
これらの違いは、「音楽的に使えるかどうか」です。
実際、音楽ジャンルによっては、歌声でなくても成立することはあります。
ですので、「自分が歌いたい曲やジャンルで使えるかどうか」でOKです。
ここを理解することで、格段と歌が上手くなり、ミックスボイスができる近道にもなります。
なぜなら、声や歌声は意識によって大きく変化することが多いからです。
つまり、意識することで、声や歌声を自由に変えられるようになるのです。
例えば、話し声。
この時、そもそも歌おうと意識していませんよね。そして、人間が一番使っている声の形でもあります。
ですが、歌として考えた場合、使えそうな声ではありません。
ここがわかっていれば、使えない声を使える声に直そうと思うことが出来ます。間違っているところがわかれば、そこを治すだけですので、正解を早く導き出せるようになります。
そうすることで、声を歌声に変えることが出来ます。
この変化をするためのの一つに、ミックスボイスという技術があるのです。
つまり、声と歌声の違いを理解できる→音楽的に使えない声がわかる→修正するためには、ミックスボイスが最適と答えが出る(出したい声の種類で技術は変わる)という事になるのです。
あと一つ知っておいてほしいのが、
歌声は、そもそも声が出ていないと成立しません。声が出ない人に、「歌って?」と言っても無理ですからね。
歌の練習というのは、声を歌声に磨いていく作業なのです。
よって、声がなければ磨くことすらできないのです。
それの補助として、声と歌声の違いを理解しているかという事は大切です。だからこそ、ミックスボイスに必要な要因の一つなのです。
ミックスボイスを練習する前に必要な条件2:高い声が出せている (歌声でなくていい)
先ほど、そもそも声が出ていないと歌声として成立させられないと書きました。
あなたは、高い歌声を出すためにミックスボイスを練習することだと思います。
ですがその前に、高い声を出せる事が前提となります。高い歌声にするには、高い声が必要なのです。
それは、裏声でも地声でも構いません。
歌声にするための声が出せるという事実が必要なだけです。
後ほど詳しく解説いたしますが、ミックスボイスとは「高い声を、歌声にするための要因」です。
つまり、少しでも出せるのであれば、練習次第でミックスボイスを習得することは可能です。
まだ高い声すら出せていないのなら、そのコツを書いた記事を書きましたので、以下から読んでみてください。
→ 高い声の出し方。原点回帰!高音は赤ちゃんから学ぶべし 歌が上手くなる方法。
このように、そもそもミックスボイスにしたい声が出せていないと、習得はできません。だからこそ、必要な要因です。
ミックスボイスを練習する前に必要な条件3:原曲キー=正義だと思ってはいないか
こちらは気持ちの問題なのですが、原曲キーで歌えることを信条としている人がたまにいます。
あと、それができないと恥ずかしいといった風潮も少なからずあります。
ですが、そんなことはありません。
歌や声には、人それぞれ良さがあり、出せる音域も人によって違います。
何が言いたいのかと言いますと、原曲キーにこだわる必要はないということです。
これにこだわりすぎると、無理な高音を出そうとしてしまいます。
それにより、喉を傷めてしまいます。
喉を傷めると、さらに高い声は出にくくなります。
そうです、ミックスボイスでさえも出なくなることがあります。
だからこそ、気を付けてほしいのです。
高音を楽に出すための技術も、ミックスボイスの要因の一つです。
喉を傷めてからでは、遅いのですから。
ミックスボイスを練習する前に必要な条件4:客観的に見て、自分の歌のレベルを理解しているか
上達への道は、自己分析からです。
現状のレベルを理解することで、何を練習すべきか見えてきます。
そうすることで、ミックスボイスを楽に習得できるようになります。
逆に、上記3つの条件などの問題が見えてこないと、ミックスボイスはいくら練習してもできません。
そこで、「客観視」が大切なのです。
出せないものいくら練習しても、できるようにはなりません。そこを判断できるのは、自分だけです。
そして、このことがわからないと無理な練習につながります。そうすれば、喉を傷める原因となります。
ミックスボイスが出せなくなる可能性もありますので、大事な条件の一つです。
まずは、ミックスボイスを練習して習得できる状態かを見極めましょう。
ミックスボイスを練習する前に必要な条件5:一曲通しで歌って、声がかれてしまうか、疲れてはいないか
一曲歌うだけで疲れてしまう場合は、上手く発声ができていません。
つまり、歌声ではなく声で歌っています。
この状態で高い歌声を練習してしまうと、喉を傷める場合があります。
きちんとした発声を練習してから、高音練習に取り組みましょう。
自分の適切なキーを見つけるというのも、大事です。
ミックスボイスを練習する前に必要な条件6:歌うことを楽しめているか
好きなことだからこそ練習に取り組むわけですし、悩みが出てくるのです。
それがモチベーションとなり、「どうしたらうまくなるんだろう?」という疑問にぶつかります。
この疑問こそ、何かを身に着けるための一番の近道です。
ほとんどの物事は、正しくやればだれでも身に着けられるものばかりです。
ミックスボイスも、その一つでしょう。
だからこそ、「好き」という気持ちは大切です。また、練習をしなければ、何事も身につきはしません。
「行動する原動力」として、とても大事なことなのです。
楽しいという気持ちを忘れずに、練習に取り組みましょう。
いざミックスボイスへ
ここまで、高い歌声までの前提条件を話してきました。
ここができている人は、ミックスボイスを練習して習得できる確率が高いです。
ここからがメインテーマ。
まずは、ミックスボイスとは何か?という事から説明していきます。
ミックスボイスとは?
今の時代では、ミックスボイスにおける説が二つほどあります。
それは、以下の2つです。
1.チェストボイス、ミドルボイス、ファルセット、これらの声区をあたかも一つに融合したかのような発声、歌唱法.普通の発声法に息を混ぜたり、軽めの声を用いて、声帯が閉まるのを避けて行う
2.ミドル音域をしっかりとした話声的な声で歌うこと。ミドルボイス自体のこと。
よくネット記事などで見かける技術は、1番の方が多いですね。
多くの方は、地声と裏声の中間の声などで説明されています。
本来ミックスボイスとは、「地声と裏声を切り替える時にスムーズにおこなえるように編み出された発声法」です。
よく、地声なのに急に裏がえる人が多くいます。これは、力が抜けると起きることですね。ですが、音楽的に見て、とてもいいとは言えないからこそ、この技術が広まりました。
ですので、どちらの属性にもなれるジョーカー的存在として、僕は捉えています。
なので、中間と表現しているのでしょう。
日本では、ポップスが広まりハイトーンボイスが主流の時代で、裏声でしか出せない音域を地声らしく出すために広まったと考えています。
要は、使い方の目的の問題です。
今は、声自体が小さくてもマイクなどでいくらでも大きくできますからね。
実は、ミックスボイスは意外と小さい音なのです。
大きくだそうとして、失敗する人は沢山いると思います。体が楽器になるまで上手い人は、とても鳴っているので大きく聞こえますが、実際の音は小さいものです。
ミックスボイスができていても、体の鳴りがまだいまいちの人は、できてないと勘違いしている人もたくさんいます。
ミックスボイスは、「説 1番を軸に出し方を覚え、体で鳴らしていく」という過程で練習するのが効果的です。
ミックスボイスのメリット
今の日本の音楽は、チェストボイスとミドルボイスを使用することが多いです。
ミックスボイスは、この切り替えがスムーズに出来るようになります。また、高い声が違和感なく出せるので、歌える曲の幅がグン!と広がります。
もう一つ、メリットがあります。
ミックスボイスは、とても喉に負担がかかりにくい発声法です。
ですので、歌い疲れが減り、声がれの防止に繋がります。
声がかれてしまう人向けに、以下の記事を書きました。良ければ参考にしていてください。
→ ミックスボイスでの息漏れや声が掠れたりしてしまう時の3つの対処法 高音練習で陥る落とし穴
そして、声帯のコントロールが必要になるので、ほかの発声法に応用できるのも利点です。
もちろん、無理なく高い歌声が出せるようになります。
ミックスボイスのデメリット
ミックスボイスのデメリットは、ほとんどないといっていいでしょう。
一つ上げるとするのなら、歌声の質感に色がないことです。
先ほど、どんな歌声にもできるジョーカー的な存在と解説しました。何にでもなれるという事は、悪く言うと「個性がない」事につながります。
簡単にいうと、単調になってしまうということです。
よって、物足りないときは、ほかの発声法で補う必要があります。
ミックスボイスの出し方
それでは、実際にミックスボイスを出すにはどうしたらいいか、という事を解説していきます。
ミックスボイスの出し方:裏声を使って、声帯を開いて鳴らす感覚を覚える
ミックスボイスは、「裏声が元」です。つまり、裏声さえコントロールできてしまえば、ミックスボイスは簡単に出せるようになります。
まず脱力です、風呂上がりのような感覚で行いましょう。
地声で声を出し続け、徐々に音程を上げていきましょう。
同時に息を漏らしていくと、地声で出すのが難しくなっていきます。
そして、息の量を増やしていきましょう。
裏声に入れ替わる箇所があるはずです。
息が多すぎると、声はかすれていきます。
完全に息が抜けないところで、音が鳴る箇所を探します。
そこがあなたの裏声のポイントです。
そこを忘れないでください。
これをすることによって、声帯のコントロールを体験できます。
息を吐いていくと、声帯は開きます。
閉まっていれば、声帯が揺れ、音が鳴ります。
これが締めすぎていると、音が詰まります。
一番なりのいい声帯の開く度合いを見つけてください。
ミックスボイスの出し方:呼吸
腹式呼吸という言葉をよく聞くと思いますが、実際よくわからないですよね?
ですが、一つだけ言えることがあります。
息は吸えば吸うほど吐くという働きが強くなります。
なので、発声する時は、素早く沢山息を吸いましょう。
鼻で早く大きく息を吸うと、勝手にお腹が大きくなります。
もう腹式呼吸は出来ているのです。誰でもね。
問題は、吐くほうです。声は、息を吐く力で声帯を揺らし、音にしています。
ですので、吐く息のコントロールが出来れば、音程や質感も自由自在に操れるようになります。
まずは、小さく細く吐いてみてください。
これにはコツがあり、唇を使います。
人間口の穴の大きさはほとんど変えられませんよね?
ですが、唇や顎を使うと大きさを調整できます。簡単なのは唇ですので、そこから始めていきましょう。
また、ビブラートをかけるには、顎を使うと簡単にできます。
唇を、おちょぼ口にして息をはいていくと、穴を細くできます。キスするような感覚ですね。
そうすると、穴が小さくなる分、息が出にくくなります。解釈を変えると、息がゆっくり出ていくようになります。
このゆっくり出ているくらいの息が、歌で一番効率のいい息の吐く量です。
大きく吸って小さく吐くので、苦しいと思いますが、これが大事です。
苦しくない方法を探してみてください。
見つかりましたか?
一番苦しくない方法は、お腹を膨らませたまま吐くことです。
こうすると苦しくありません。
よくお腹に力をとか言いますが、この事です。膨らませる筋肉の使い方が、歌の先生が良く言う「おなかに力を入れる事」と同じです。
苦しくないと、一定の吐く息ができるようになるので、声の安定感が出ます。
これが発声で使う呼吸です。
発声で有用な呼吸を苦しくなくできれば、あとは鳴らし方だけです。
頑張っていきましょう。
ミックスボイスの出し方:ハミングを使う
皆さん、鼻歌は歌いますか?
フフ~ン♪
みたいな感じですると思います。
あれを、裏声を出す感覚で行ってください。
少し高めの音域になると思います。
そこから段々と音量を上げていき、MAXの七割くらいで口を開けていきましょう。
口を開けていくと、地声に戻る働きが加わります。
ポイントは、眉間を声が抜けていく感覚で行ってください。
意識することは、呼吸です。お腹を膨らませたまま出していってください。
これを行うことで。頭とお腹で声の綱引きが起こります。
これが大事です。
お腹側の、下に引っ張る感覚が体の鳴りへと繋がります。
この鳴りが、裏声を太くする効果の、ミックスボイスへと繋がります。
ですが、声は口から抜けるので、上に引っ張る力が勝ちます。
そこでようやく、いい声が出るのです。
この感覚を覚えましょう。
ミックスボイスの出し方:言葉と音程で、歌は完成する。
今は発声の練習ですが、慣れてきたら、言葉と様々な音程で実践してみましょう。
発声だけ出来ても、歌は歌えません。
歌は、メロディーを声と言葉で表したものです。
ですので、いろんな音程と言葉がミックスボイスでできるようになってようやく、「習得できた」といえます。
この段階は、練習量が決め手です。焦らずじっくりと、積み重ねていきましょう!
まとめ:ミックスボイスの出し方と練習方法!6つの前提条件を超えてからの高音強化とその知識。
今回は、ミックスボイスの出し方とその知識について書きました。
わかりやすいよう、まとめていきます。
高い歌声の前提条件は、以下の通りです。
- 声と歌声の違いを理解している。
- 高い声が出せている (歌声でなくていい)
- 原曲キー=正義だと思ってはいないか
- 客観的に見て、自分の歌のレベルを理解しているか
- 一曲通しで歌って、声がかれてしまうか、疲れてはいないか
- 歌うことを楽しめているか
ミックスボイスの出し方は、以下の通りです。
- 本来は、地声と裏声を切り替える時にスムーズにおこなえるように編み出された発声法
- どちらの属性にもなれるジョーカー的存在
- 裏声を使って、声帯を開いて鳴らす感覚を覚える
- 息は吸えば吸うほど吐くという働きが強くなる
- お腹を膨らませたまま吐く
- 慣れてきたら、言葉と様々な音程で実践
以上です。
最後に
高い歌声への壁、ミックスボイス。
感覚をつかんでしまえば、そんなに難しいことではありません。
声が出せていれば、必ず歌声にできます。
少しずつ、喉を傷めず頑張ってくださいね♪
皆テンション上がったら、大きな声出るでしょ?
自然な状態が一番なのです。リラックスして取り組みましょう!
あなたの上達を、心からお祈りしています。
以上。音楽人講師の凜でした!